「男性は女性と違い、年をとっても精子がつくり続けられているため、精液検査で問題がなければ、妊活に問題はないだろう」と思っていませんか?
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男性も40歳を超えると、精液検査の結果に関係なく、精子の質が低下し、パートナーの女性は妊娠しづらくなる
年齢が高いご夫婦が妊活をされる場合は、卵子の質だけでなく、精子の質の改善にも目を向けるべきです
精子の「量」ではなく「質」に目を向けてみると、男性の年齢が高くなればなるほど、精液検査の結果にかかわらず、精子の質の指標とされている精子のDNAの損傷率が高くなることがわかっています。
つまり、男性も40歳を超えると、精液検査の結果に関係なく、精子の質が低下し、パートナーの女性は妊娠しづらくなるのです。
年齢が高いご夫婦が妊活をされる場合は、卵子の質だけでなく、精子の質の改善にも目を向けるべきです。
精子は常に作り続けられているので、質の改善のために出来ることを紹介します
禁欲期間を短くする
頻繁に射精していれば、精液中に新鮮な精子の割合が増えるからです。
最低でも数日に1回、できれば隔日か、毎日の射精が理想的です。
論文
Fertil Steril 2011;96: 1083.
座りっぱなしを避ける
デスクワークの時間と精液検査結果は関連しませんでしたが、精子DNA断片化率と有意な関連が認めらたという研究報告がなされてます。
論文
Folia Histochem Cytobiol. 2019; 57: 15.
食事やサプリメントで十分なビタミンやミネラルを摂取する
食事やサプリメントのビタミンCやビタミンE、亜鉛の摂取量が多い男性と少ない男性の精子DNAの損傷率を比べたところ、44歳未満の男性では差は見られなかったのに、44歳の男性ではそれらの栄養素の摂取量が少ない男性のほうが精子DNA損傷率が多い男性に比べて高かったとアメリカから報告されています。
つまり、40代前半までは栄養摂取による違いは出ないものの、40代後半になると栄養素を十分の摂取しないと年齢による影響が回避できないということです。
逆に、年齢が高くなっても新鮮な野菜や果物、サプリメント等で抗酸化物質をしっかりと摂取いていると、精子DNA損傷率の上昇は避けられるということです。