- 受精はしてもその後なかなか分割がすすまず胚盤胞まで到達しない
- 移植しても着床しない
そんな時は「精子の質」について考えてみませんか?
不妊治療の顕微授精には精子の質が重要
顕微授精とは、射出された精液から精子を選んで卵子に注入することによって受精させる技術で、理論的には精子が1個でもあれば妊娠は可能です。
しかしながら、受精はしてもその後なかなか分割がすすまず胚盤胞まで到達しない、移植しても着床しないといった方がいらっしゃいます。
一般的に女性の年齢が上がると卵子の質が低下し、妊娠しにくくなると言われています。女性が採卵により卵子を準備できたとしても、精子が悪ければ授精に至りません。
では、顕微授精に際しての「精子の質」とはどのようなものなのでしょうか?
精子の質とは?
顕微授精において理論的には精子が1個でもあれば妊娠は可能ですが、精子の質「精液所見」が悪い方は妊娠率が低下する傾向にあります。
正常な精液とは?
精液量、精子濃度、精子運動率、良好性運動率、精子正常形態率をみていきます。
射精できるから、精液の量が多いから、性欲があるから私の精子は正常と思っている男性が多々いらっしゃいますが、その自信は全く精子の質とは関係ありません。
正常かどうかは実際に精液の検査をしてみないとわかりません。精液の量は有っても「精子の数、精子の形が、運動率」などは精液を採取して調べる事が重要です。
精子の構造はどうなっているの?
精子は大きく分けて頭部と尾部になり頭部にはDNAが入っており、受精の際に卵子のDNAと組み合わされます。
尾部は精子の運動を担当しており、体内で卵子に到達するまでを担当します。
尾部の手前にはミトコンドリアが入っており、尾部の運動エネルギーを保管しています。
不妊治療(顕微授精)では精子を卵子に直接注入しますので、尾部は動いていなくても理論上は大丈夫なのですが、運動性が悪かったり頭部の形が変形している精子はDNAが損傷している可能性が高く、良好な受精卵ができないため通常は不妊治療(顕微授精)には用いません。
不妊治療において精子の重要なことは?
・精子の頭部に入っているDNAが損傷していないことが重要。
・DNA損傷していない精子を選ぶため、頭部の形や動きを参考にしている。
という事です。
顕微授精であったとしても精子の質は重要!
精子のDNA損傷リスクを低減するために、酸化ストレスを抑制する抗酸化食品や抗酸化サプリメントを服用したり、禁煙、飲酒量が多い場合には飲酒量を減らす、睡眠不足の解消、等をオススメします。
採卵日にあわせて、できるだけ精子の質、コンディションを整える事を心がけましょう。
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