男性が40歳を超えると赤ちゃんができにくくなる!

男性も年齢が高くなるほど不妊治療の成績が低くなる

女性の年齢が高くなるほど不妊治療の成績が低くなることは良く知られていますが、男性も40歳以降、年齢が高くなるほど治療成績は低くなることがわかりました。

今回は「男性の年齢と不妊」について複数の論文をご紹介します。

女性の年齢に関係なく、男性が40歳以上になると年齢が高くなるほど治療成績が低下

オーストラリアのモナシュ大学の研究

体外受精や顕微授精を受けているカップにとって、女性の年齢に関係なく、男性が40歳以上になると年齢が高くなるほど治療成績が低下するという研究報告がオーストラリアのモナシュ大学からなされています。
Hum Reprod, https://doi.org/10.1093/humrep/dez223

1992年から2017年まで大学病院で実施された体外受精や顕微授精24,411周期から、男性パートナーの精液検査結果が正常で、女性パートナーが子宮内膜症や卵管閉塞、PCOS、採卵数が3個未満や15個以上、さらには、凍結卵子、凍結精子を使った治療を除いた原因不明不妊症カップルの2,425周期を対象に治療成績への男性や女性の年齢の影響を調べた結果です。

女性の年齢が高くなるほど治療成績が低くなることは、よく知られていますが、それとは関係なく、また、女性ほどの影響ではありませんが、男性も40歳以降、年齢が高くなるほど治療成績は低くなることがわかりました。

男性の年齢が1歳高くなるごとに出産に至る確率は4.1%低くなる。

男性パートナーの年齢と子づくりを始めてから妊娠に至るまでの期間

イギリスの研究

2112名の女性を対象に男性パートナーの年齢と子づくりを始めてから妊娠に至るまでの期間の関係を調べたイギリスの研究があります。

Fertil Steril 2003; 79: 1520.

男性が20代では約6か月なのが、30代から40代前半になると約10ヶ月に、40代後半になると約1年半、そして、50歳以上になると2年半以上かかるようになり、男性の年齢が高くなるほどパートナーの女性が妊娠するまでに長くかかるようになることがわかります。

男性が40歳を超える頃からパートナーの女性が妊娠しにくくなる傾向が見て取れます。

アメリカの研究

男性の年齢はパートナーの流産率も上昇させることが知られています。5121名の女性を対象に男性パートナーと流産率の関係を調べたアメリカの研究があります。

Am J Epidemiol. 2005; 161: 816.

男性の年齢が20歳のパートナーの女性の流産率を1とした場合、35歳で1.43、40歳になると1.58、45歳で1.74、そして、50歳では1.90倍と、男性の年齢が高くなるほど女性パートナーは流産しやすくなると報告しています。

いずれの研究でも女性の加齢の影響は統計的に排除されています。

このように、女性の年齢の影響については、広く知られていますが、父親になる男性の年齢も「妊娠率や出産率、流産率にマイナスの影響を及ぼす」のです。

男性も40歳を超えるとパートナーの女性は妊娠しづらくなる

男性は年をとっても精子が作り続けられている為「精液検査で問題がなければ、問題ないだろう」と考えているのではないでしょうか?

男性も40歳を超えると精液検査の結果に関係なく精子の質が低下します

精子の「量」ではなく「質」に目を向けてみると、男性の年齢が高くなればなるほど、精液検査の結果にかかわらず、精子の質の指標とされている精子のDNAの損傷率が高くなることがわかっています。

Fertil Steril 2017; 101: 1588

https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(18)30015-3/fulltext

つまり、男性も40歳を超えると、精液検査の結果に関係なく、精子の質が低下し、パートナーの女性は妊娠しづらくなるのです。

年齢が高いカップルは、卵子の質だけでなく、精子の質にも目を向け「ふたりで取り組むこと」がより重要です。

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