免疫力アップに効果があるお灸ですが、お灸がどのように作り利用されているかご存知ですか?

免疫力アップに効果があるお灸ですが、どのように作れるかご存知ですか?

お灸で免疫力アップについて書いた記事はこちら↓をご覧ください。


今回はお灸の製造方法について紹介していきます。
お灸は「もぐさ」から作られるのですが、その「もぐさ」の原料は「よもぎ」の葉です。

「艾・もぐさ」の原料は「蓬・よもぎ」です


「よもぎ」はよもぎ餅や草餅煎、よもぎ茶などで食用として馴染みがあります。
「よもぎ」は葉全体を使用しますが、「もぐさ」は葉や茎の部分は使用せず、よもぎの葉の裏側にある毛(毛茸もうじょう・腺毛せんもう)のみを集めて使用します。
現代では「よもぎ」の生産量は新潟県が最も多いですが、江戸時代には、滋賀県の伊吹山麓一帯で生産される「伊吹もぐさ」が優良もぐさの代名詞となりました。
では「もぐさ」の製造工程を紹介していきます。

よもぎの採取

5月中旬から8月頃にかけて主に山野に自生している「よもぎ」の葉のみを刈り取ります。

よもぎ葉の乾燥

よもぎの葉を3~4日間天日乾燥します。
乾燥が十分ではないため、火力乾燥でさらに水分を取り除きます。
自宅で作る場合は天日干しの後、土鍋で乾煎りし水分を取り除きます。
乾燥後は乾燥前の20%位の重さになるくらい良く乾燥させます。

よもぎ葉の砕加工


十分に乾燥したよもぎ葉を砕断機で、よもぎ葉を均等な長さにカットします。
自宅で作る場合はミキサーやフードプロセッサーで細かくします。

石臼引き加工


乾燥後の葉を臼でひいてすり潰します。葉を細かく粉砕し、毛と分離します。
もぐさ製造用の石臼は3種類あり、目の粗い臼から細かい臼と順番にすりつぶします。
自宅で作る場合はすり鉢とすりこぎ(ミキサーやフードプロセッサーでも良い)を使って細かくし、ザルで濾す事を繰り返します。

篩(ふるい)加工


「長通し」というふるいの機械の中に粉砕したよもぎを入れ、回転・撹拌することで、もぐさと異物をふるい分けます。
自宅で作る場合はすり鉢とすりこぎ(ミキサーやフードプロセッサーでも良い)を使って細かくし、ザルで濾す事を繰り返します。

唐箕(とうみ)加工

長通しで除去しきれなかった雑物を取り除くために、唐箕を使用します。
自宅で作る場合はすり鉢とすりこぎ(ミキサーやフードプロセッサーでも良い)を使って細かくし、ザルで濾す事を繰り返します。
以上の工程でお灸用のもぐさが出来上がります。

もぐさの成分とお灸の条件

良い「もぐさ」を作るには「よもぎ」の裏面の毛(毛茸・腺毛)の量や品質が重要

加工前の原料の乾燥よもぎと、加工後のもぐさの重量比を歩留まり率と呼びます。
高級品は原料のよもぎから2%~3%くらいしか採れないと言われています。
最高級のもぐさは100gの乾燥よもぎからたった2gしか作れない貴重なものです。
特に腺毛には有効成分である揮発性の精油(チネオール)が多く含まれており、この腺毛の割合が多いほど(火がつきやすく、燃えやすい)熱感が緩和(温度の割に熱さを感じない)な燃え方になります。
良いお灸は香りがとても良く、熱すぎず気持ち良い熱刺激なのです。

お灸は南アフリカで結核のケアとしても使用

結核とは、結核菌により引き起こされる感染症です


結核を発病している人が「せき」「くしゃみ」をすると結核菌が空気中に飛び散り、他の人が菌を吸い込むことにより空気感染します。
感染後は「感染しているけど発症していない状態」と「発症している状態」が存在します。インフルエンザや新型コロナでも感染後は「感染しているけど発症していない状態」と「発症している状態」が存在します。
結核菌に感染していても免疫力が働いている状態であれば90%の人は発病しません。

世界全体で死亡原因となる感染症の第1位が結核です

結核やインフルエンザは過去の病気ではありません。
世界では20億人の人がすでに結核に感染しており世界総人口の約 1/3です。
いまだに世界全体で死亡原因となる感染症の第1位は結核なんです。
結核に対するお灸活動は下記の「モクサアフリカ」の記事をご覧ください。

https://www.sennenq.co.jp/moxafrica/index.html


毎日、足三里にお灸をして免疫力アップであらゆる感染症を予防しましょう!

足三里のツボの場所

原志免太郎博士は1882年生まれの医師です。
お灸の免疫力の研究で日本で始めての「お灸博士」で、ご自身も毎日「足三里」のつぼへのお灸を欠かさず104才まで現役のお医者様として活動されました。
私達も毎日、足三里にお灸をして免疫力アップしましょう!
足三里のツボの場所は足スネの部分にあります。膝のお皿(膝蓋骨)の下で手の指4本分下です。

お灸のツボの位置やお灸の方法を直接学びたい方はお灸教室があります

お灸のやり方やお灸の方法、どんなお灸がご自身に合うか判らない方はお灸教室をオススメします。
正しいツボの取り方やセルフケアにオススメのツボを鍼灸師が直接お教えしています。

何でお灸で免疫力アップできるのか?についての説明はこちら

~参考文献~
山正


せんねん灸