毎日のお灸で免疫力アップ

「HSP(ヒートショックプロテイン)」 という言葉をご存知でしょうか?

「野菜を50度のお湯で洗う」と野菜がシャキシャキするそうです。

今からが旬の苺は、 50度のお湯に二分間浸けると見違えるように新鮮になるそうです 。
温かくする事が有用なのは、 野菜だけに限らず人間にも共通します。
「温める」という事が「血行を良くする」 というステップを踏んで、人体に良い影響をもたらすという事は、 どこかしら東洋医学的アプローチも含みます。

HSP(ヒートショックプロテイン)は体を温めることによって体内に生まれるタンパク質の事で 、タンパク質を保護したり傷んだ細胞を修復したりします

お灸でHSP(ヒートショックプロテイン)アップ

まだ抗生物質もなかった20世紀初頭、結核で7人に1人の日本人が亡くなっていました。結核による悲惨な現状を救うべく立ち上がった原志免太郎医師が用いたのは、古来から伝わる「お灸」をすることでした。

1929年、結核に感染したウサギに灸をすえたら抵抗力が増すことを突き止めた論文で原志免太郎医師は日本初の「お灸博士」となる。 HSP(ヒートショックプロテイン)研究の先駆け

原志免太郎医師の結核治療は実を結び、やがて結核に対するお灸の有効性を実証した原志免太郎医師は、108歳という当時の男性長寿日本一の栄誉とともにこの世を去りました。

2016年RCT/臨床研究の結果、結核とHIV患者のお灸の効能として免疫力(CD4)の向上を証明することに成功しました。

免疫力とは患者自身の病気に対する抵抗力をアップすることです

風邪にかかりやす人と風邪に全くかからない人の違いは免疫力の違いです。免疫力向上にはHSPが重要な鍵になってきます。HSPを増やす方法は色々ありますが、原志免太郎医師自身も毎日実践されていた「お灸」はとても手軽な方法だと思います。特にお灸で行っていただきたいツボは足三里です。

昔から足三里のツボは万能

古人も書物に足三里のお灸について書いています

「四十以後の人、身に灸を加えて三里を焼かざれば、上気じょうき(のぼせ)の事あり。必ず灸すべし」吉田兼好『徒然草』

三里を、毎日一壮づつ灸する人あり。これまた時気じき(高血圧)をふせぎ、風ふう(中風)を退ひけ、上気を下し、衂はなぢをとめ、眼を明にし、胃気をひらき、食をすすむ、尤もっとも益ありと云いう」貝原益軒『養生訓』

「独ひとりは象牙の掛羅くわら(印籠、巾着)よりもぐさを取出し、三里にすえて皃かおをしかむる」井原西鶴『好色一代男』

「道祖神のまねきにあひて取とるもの手につかず、もも引きの破やぶれをつづり笠の緒付けかえて、三里に灸すうるより、松島の月まず心にかかりて」松尾芭蕉『奥の細道』

毎日コツコツと健康と免疫力向上のため足三里にお灸をしていただくことをオススメします!

足三里の場所は

足スネの部分にあります。膝のお皿(膝蓋骨)の下で手の指4本分下です。

お灸のやり方やお灸の方法、どんなお灸が合うか判らない方はお灸教室をオススメします。

正しいツボの取り方やセルフケアにオススメのツボを鍼灸師が直接お教えしています。