⑥子宮頚部腺ガンを調べてみた~病院に1年通っても治らない「おりもの」は「子宮頚ガン」だった~

病理組織診断報告書に書いてあった子宮頚部腺ガンを色々と調べてみた!

先にお話しますと、私の「子宮頚部腺ガン」は少ない(腺ガン約20%)ガンの種類で、「おりもの」に異常を感じ、町の産婦人科に通院していたものの、ガンが見つかるまでにトータル14ヵ月もかかってしまいました。
最終的には大学病院を紹介してもらいましたが、大学病院でもガンが見つかるまでに2ヵ月かかりました。
一般的な子宮頚ガン(扁平上皮ガン約70%)と異なりますので、参考になる部分と参考にならない部分があるかと思います。
しかし年々腺ガンの割合が上昇しているので、女性の皆様の参考になればと私の「病理組織診断報告書」を載せています。

私の病理組織診断報告書の組織所見に書かれていた内容

病理組織診断報告書①
病理診断報告書②
子宮 子宮頚部全周性に100mm×20mm大で、内腔側には10mm突出する子宮頚部腫瘍では、クロマチンが増加した大型核の異形細胞が、主に絨毛状に増殖し、間質へわずかに浸潤する。
腫瘍が絨毛状増殖を呈することから、絨毛腺管癌の可能性が考えられるが、腫瘍の底部付近で異形が高度なため通常型内頚部腺癌との鑑別は難しい
腫瘍の子宮体部への進展や切除断面への露出はともに認められず、脈管侵襲も認められない。
傍子宮頚部結合織の硬結部分にも明らかな腫瘍の侵襲は認められない。
子宮体部では、最大径50mm大の平滑筋腫の多発が認められる。(子宮筋腫が多発)
子宮内膜は軽度の肥厚を認めるほか、著変は認められない。
両側卵巣卵管 両側卵巣卵管に腫瘍の進展は認められない。右卵巣には黄体形成を認める。
リンパ節 提出されたリンパ節には腫瘍の転移は認められない。

病理組織診断報告書の組織所見に書かれていた絨毛腺管癌を調べてみた!

頸部腺癌の約4%と珍しい分化度が高く細胞異型に乏しく浸潤ガンでも細胞診で偽陰性に出ることがあり、注意が必要。画像診断が早期診断には重要である。※偽陰性とは実際は陽性であるが陰性と診断されてしまう事

fern leaf-like appearance(FLLA)は,子宮頸部に発生する内頸部型粘液腺癌の稀な一亜型である絨毛腺管状粘液性腺癌(mucinous adeno­carci­noma,villoglandular type)に特徴的なMRIのサインとして報告された1).1989年にYoungらにより記載された本疾患は2),2014年に改訂されたWHO分類では,絨毛腺管癌(villoglandular carcinoma)として粘液性癌から独立した組織亜型に再分類された.頸部腺癌の約4%と稀な病態であり,シダの葉(fern leaf)様を呈する絨毛状の外向性発育を特徴とする。若年者に好発(平均37歳)する比較的予後が良好な腫瘍とされるが,分化度が高く細胞異型に乏しいため,浸潤癌でも細胞診で偽陰性に出ることがあり,注意が必要である。また,早期診断により妊孕性を温存した縮小手術による対応も可能であり,画像診断が重要な疾患と考えられる.

画像診断 37巻9号 (2017年7月)特集 サインから読み解く婦人科画像診断
3. 子宮疾患に関連するサイン 1. Fern leaf-like appearance  文献概要より引用

通常型腺癌と腸型粘液性腺癌の多くは HPV 関連腫瘍であるのに対して、胃型腺癌、明細胞腺癌、漿液性腺癌、中腎腺癌などの特殊な腺癌では HPV が陰性、あるいは検出される頻度が低い

子宮頸部腫瘍の最近の考え方-新 WHO 分類(2014)を読み解く より引用

子宮頚ガン まとめ

子宮頸ガンにも色々な種類がある

子宮頸ガンは大きく3種類(扁平上皮癌・腺癌・その他)に分けられます。

扁平上皮癌
(約70%)
角化型扁平上皮癌・非角化型扁平上皮癌・乳頭状扁平上皮癌・類基底細胞癌・コンジローマ様癌・いぼ(疣)状癌・扁平移行上皮癌・リンパ上皮腫様癌・分類不能の扁平上皮癌
腺癌(約20%) 通常型内頚部腺癌・粘液性癌・胃型粘液性癌・腸型粘液性癌・印環細胞型粘液性癌・絨毛腺管癌・類内膜癌・明細胞癌・漿液性癌・中腎癌・神経内分泌癌を伴う腺癌・分類不能の腺癌
その他(約10%) 腺扁平上皮癌・すりガラス細胞癌・腺様基底細胞癌・腺様嚢胞癌・未分化癌・カルチノイド腫瘍・非定型的カルチノイド腫瘍

子宮頸ガン検診で見つかりやすいガンと見つかりにくいガンがある

子宮頸ガンの検診は、問診(ワクチン接種の有無など)、腟鏡診(子宮頸部の観察)、内診(子宮や卵巣の触診)、細胞診(子宮頸部からブラシなどで細胞を採取し、異常な細胞が出現していないかを顕微鏡で調べる検査)とHPV検査(ヒトパピローマウイルス検査:子宮頸がんの主な原因ウイルスで子宮頸部の細胞から行われるウイルス検査)です。
子宮頸ガン検診で見つけやすいガンと見つかりにくいガンがありますが、発症頻度の高い扁平上皮癌では細胞診等の検診で見つけられる場合が多いので、定期的にガン検診を受けましょう。
しかし私のように珍しい稀なガンの場合は見落される事があります。

子宮頸ガンの検診結果で納得がいかない場合は

HPV(ヒトパピローマウイルス)が子宮頸ガンの主な原因ではあるが、特殊な腺癌では HPV が陰性、あるいは検出される頻度が低いので、検診(細胞診・HPV検査)で異常が見つからない場合でも、不調(性交時の不正出血・大量の帯下・大量のおりもの)がある場合は「組織診・コルポスコープ診・CT・MRI」など精密な検査をしてもらえる病院へ(今までの検査結果や紹介状を持参し)受診して下さい。

※今までの検査結果を持参しないと、今までと同じ内容の検査からスタートし精密な検査をするまでに日数や通院回数が必要となりガンの発見が遅くなります

※組織診・コルポスコープ診・CT・MRIとは

<組織診>
細胞診で異常があった場合は、疑わしい部分から小さな組織を切り取り、顕微鏡で診断します。子宮頸がんであることの確定診断に用いる検査です。

<コルポスコープ診>
コルポスコープという拡大鏡で、子宮頸部の粘膜表面を拡大し細かい部分を観察します。通常、コルポスコープで異常が疑われた部位の組織を採取することにより、組織診の診断精度が上がると考えられています。

<CT/MRI検査>
CT検査はX線を使って、MRI検査は磁気を使って身体の内部を描き出し、治療前に転移や周辺臓器へのがんの広がりを調べます。通常、子宮頸部の病変はMRI検査のほうが明瞭に描出されます。そのためMRI検査は骨盤内病変の精査を目的として行われます。一方でCT検査は広い範囲の検査を同時に行う事ができるため、肺や肝臓などの遠隔臓器への転移や、リンパ節転移の診断などに用いられます。

私が子宮頚ガンを見落とされガンと診断されるまで1年以上通院したお話です↓

私が子宮頚部腺癌の手術の説明を受けた時のお話です↓

私が子宮頚部腺癌の手術を受けた後のお話です↓