お灸って温めるだけでしょ!って思っていませんか?

セルフケアにお灸をオススメする事がありますが「お灸で温めるだけなら、カイロや湯たんぽで温めても良いんじゃないですか?」と言われることがあります。

お灸は温めるだけじゃないんです

お灸に限らず温める事は良い事です

セルフケアにお灸をオススメする事がありますが「お灸の代わりに、カイロや湯たんぽで温めても良いんじゃないですか?」と言われます。
「カイロや湯たんぽ などの温熱刺激」の作用を先ずは書いていきます。

温熱刺激・温める事で起こる作用

  • 組織代謝の亢進
  • 血管の拡張
  • 軟部組織の伸張性増大
  • 神経伝達速度の増大
  • 鎮痙作用

などがあります。しかしお灸にはもっと良い事があるんです。

お灸の作用はもっと良い事があります

お灸は生体の組織・器官の機能の異常を調節し、本来の生理的な状態に回復させる作用があり、疾病の状態と治療目的により以下に分けられます。

調整作用 器官や組織に一定の刺激を与えて、その機能を調整する作用のこと
興奮作用 知覚の鈍麻・消失・運動麻痺などの真剣機能の低下減弱のような条件を持つ部位に鍼灸を行い興奮させる作用
鎮静作用 疼痛・痙攣・興奮状態の部位に刺激を与えて鎮静させる作用
誘導作用 患部に直接施灸するか、または遠隔部に施灸し、その部の血管に影響を及ぼし、充血を起こし、患部の血流を調整、「血液」のコントロールを目的とする
鎮痛作用 内因性モルヒネ様物質あるいは下向性抑制などの機序により、鎮痛作用が発現する
防衛作用 白血球や大貪食細胞などを増加させて、各種疾患の治療機能を促進させ、生体の防御力を高める作用
免疫作用 免疫能を高める作用のこと
消炎作用 施灸により白血球は増加し、施術部位に遊走する。
または血流改善により病的滲出物などの吸収を促進させ、体内の防衛能力を高める
転調作用 自律神経失調症やアレルギー体質を改善して,体質を強壮にする作用
反射作用 痛み刺激あるいは温熱刺激による反射機転を介して、組織・臓器の機能を鼓舞あるいは抑制する

特に見ていただきたいのは「防衛作用 ・免疫作用・消炎作用・転調作用」ではないでしょうか?
防衛作用 ・免疫作用・消炎作用の各作用はインフルエンザやコロナウイルスなど各種の感染対策にお灸は良いということですね。
また転調作用は「自律神経失調症やアレルギー体質を改善して,体質を強壮にする作用」ですので、日ごろからお灸をする事は体質改善にも役立ちます。

お灸は温熱刺激以外にモグサの有効成分がポイント

お灸の原料、じつは「ヨモギ」なんです。
「ヨモギ」は古くから身近な薬草として、傷口にヨモギの葉をもんで汁をつけて止血したり、虫さされやかゆみ止めにも使われてきました。
また、艾葉(がいよう)と呼ばれ、生薬としてカラダを温め、腹痛、胸やけ、下痢、便秘など、さまざまな症状に効果があるとされています。

昔から使われてきたヨモギの効果

薬能
下痢、吐血、婦人の不正性器出血や帯下、腹痛を治す。また、諸病にお灸をするのに用います。

循環機能・肝機能・腎機能・利尿・健胃・消化促進・整腸・便通・下痢止め・鎮咳・去痰・冷え改善・風邪予防・止血・かゆみ止め・消炎・抗菌・口腔ケア・美肌・鎮痛・滋養強壮

乾燥したヨモギ「艾葉(がいよう)」は漢方薬にも使われ、主な配合漢方薬に芎帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)があります。

お灸の作られ方を知っていますか?

お灸作りは時間と手間がかかり、とても貴重なんです。
最高級のもぐさは100gの乾燥よもぎからたった2gしか作れません。

自宅でのセルフケアにオススメのお灸

お灸には温度の違いなど色々なタイプがあります

お灸+αの邵氏温灸器(しょうし温灸器)

お灸プラス生薬成分「松節エキスとシナモン(桂皮)エキス」が入った温灸剤もあります。
生薬成分「松節エキスとシナモン(桂皮)エキス」がプラスされた事でお灸の効果をよりパワーアップ!

松節エキスとは

松節は松の木自身が害虫や外傷による傷を治すために、松の成分 ( ピアシアコムオイル※ ) が集中して作られたものです。
松節エキスは「関節などの痛み、冷え性の体質改善、精神安定、ストレス緩和効果」が期待できます。

シナモン(桂皮)エキスとは

桂皮はシナモンの事で様々な漢方薬に配合されています。
桂皮(シナモン)は血管を健康にしてくれるという効能を持ち、血行が良くなることで冷え性の改善、そして基礎体温が上がることで免疫力の向上や妊活にも期待ができます。
主な配合漢方薬に桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)、桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)、桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)、柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)などがあります。

漢方

過去のお灸に関する「アイリス漢方薬店」ブログ記事はこちら

お灸をするツボの話は→「アイリス治療院」のブログ記事に多数掲載中