育毛剤・薄毛治療薬・AGA治療薬が男性不妊の原因となることをご存知でしょうか?
育毛に有効性が認められている薬は、フィナステリド(商品名:プロペシア)やデュタステリド(商品名:ザガーロ)の他にミノキシジル(商品名:リアップ・ロゲイン)は良く聞かれた事があると思います。
大まかに説明すると、フィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ)は抜け毛にブレーキをかける薬、ミノキシジル(リアップ・ロゲイン)は発毛を促進する薬です。
フィナステリド(商品名:プロペシア)とはどんな薬?
男性ホルモンを抑える前立腺肥大の治療薬です。活性化した男性ホルモンが、前立腺肥大を起こすと言われ、男性ホルモンを抑える事で脱毛にもブレーキをかける薬です。
ミノキシジル(商品名:リアップ・ロゲイン)とはどんな薬?
心臓病や動脈硬化の薬で血管を拡張する治療薬です。血管拡張作用によって、頭皮の毛根に栄養が行き届きやすくなり服用していた人が髪が生えてきた事から「育毛の薬」となったわけです。
今回は、『育毛剤が精子に与える悪影響について』書いていきます。
男性不妊の原因として特に多い「フィナステリド(商品名:プロペシア)」について
フィナステリドによる男性不妊の症例報告
フィナステリドが精子に悪影響を与えるという報告は、栄ウィメンズクリニックの男性外来も担当している千葉医師が2011年にfertility and sterility誌に報告されています。
『Finasteride-associated male infertility (フィナステリドによる男性不妊)』
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0015028210029250
症例報告で、元々乏精子症であった男性がフィナステリドを内服したところ無精子症になり、休薬後に精子が再度出現したという症例を報告されています。
男性不妊患者におけるフィナステリド使用の症例報告
2013年にはカナダのSamplaski医師らが同じくfertility and sterility誌に次の様な報告をされています。
『Finasteride use in the male infertility population: effects on semen and hormone parameters.』
https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(13)02786-6/fulltext
(男性不妊患者におけるフィナステリド使用:精液所見とホルモン所見への影響)
フィナステリドがどのように精子に影響を与えるという調査の結果は…
この調査では4400名の男性不妊患者を調べたところ27名(0.6%)がフィナステリドを使用していました。
ホルモン検査はもともと異常を認めなかった事もあり、フィナステリド中止後も変化を認めませんでしたが、精液所見を比べるとフィナステリド中止後に精子数は平均11.6倍も増加しているという結果でした。
精子濃度500万/ml以下の高度乏精子症の方でも57%が中止後に1500万/ml以上に回復していたという事で、まさに驚くべき効果です!
なぜフィナステリドが精子に影響を与えるのか?
なぜこのような事が起こるのかというのは、はっきり解っておりませんが、次の様に考えられています。
フィナステリドは男性ホルモンであるテストステロンが活性型のジヒドロテストステロンに変換されるのをブロックする薬剤です。
男性ホルモンは脱毛の原因となりますので、その活性を抑えることによって脱毛を防ぐという考え方です。ところが、男性ホルモンは精子形成にも重要な役割を持っています。そのため、男性ホルモンの活性がブロックされることが悪影響を与えると考えられています。
現在までの報告は主にフィナステリド(商品名:プロペシア)ですが、最近認可されたデュタステリド(商品名:ザガーロ)は更に強力に男性ホルモンの活性をブロックしますので、同様の副作用があると思われます。
この様な背景から、当院の初回来店時に妊活をお考えの場合には必ずご主人の育毛剤の使用有無について質問するようにしております。
内服の育毛剤を使用されている方は一度精液検査を受ける事をお勧めします。
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男性不妊にたんぽぽ茶ショウキT-1が有効
とくに精子の量や数に問題がある患者様は男性ホルモンの異常が考えられます。
ショウキT-1は男性の脳の視床下部、脳下垂体に働きかけて男性ホルモン(テストステロン)の値を正常化します。