治らない手指の湿疹は食べ物による金属アレルギーが原因かもしれません①

食事

食事や食べ物による金属アレルギー反応があるって知ってましたか?

食物アレルギーは良く聞くと思いますが、食物中に含まれる微量金属よる金属アレルギー反応もあります。

金属アレルギーは皮膚に金属が接触や吸収されることで起こる局所型金属アレルギーと、
生体内の金属(歯科金属・人工関節など)や食品の影響で起こる全身型金属アレルギーがあります。

治らない手指の湿疹は金属アレルギーが原因かもしれません

私の夫は元々アトピー性皮膚炎なのですが、ある時から指先や手のひらの湿疹が治らず皮膚科に通っていました。
塗り薬で改善しないので「金属アレルギーかもしれないので、パッチテストをしてみましょう!」
ということになり病院でパッチテストを行いました。

パッチテストの方法( 金属アレルギーの検査方法)

金属アレルギーを起こす原因物質を検査する方法として、パッチテストが一般的です。
アレルゲン(アレルギーの原因)と考えられるいくつかの金属試薬を含んだ絆創膏を上背部、もしくは上腕外側へ2日間貼ります。
その後これを取り除き、皮膚の変化を調べます。
アレルギーの原因を特定するために、貼った日から48時間後、72時間後、1週間後、10日後に判定を行います。

No 試薬 検査金属
1 塩化アルミニウム2% アルミニウム
2 塩化コバルト2% コバルト
3 塩化第二スズ1% スズ
4 塩化第二鉄2%
5 塩化白金酸0.5% 白金(プラチナ)
6 塩化パラジウム1% パラジウム
7 塩化マンガン2% マンガン
8 三塩化インジウム1% インジウム
9 四塩化イリジウム1% インジウム
10 臭化銀2%
11 重クロム酸カリウム0.5% クロム
12 硫酸クロム2% クロム
13 硫酸ニッケル5% ニッケル
14 塩化亜鉛2% 亜鉛
15 塩化金酸0.2%
16 硫酸銅1%
17 塩化第二水銀0.05% 水銀
パッチテストの様子①2018.02.22撮影
パッチテストの様子②2018.02.23撮影
パッチテストの様子③2018.02.24撮影

「パッチテストの部分も痒いが全体を留めているテープが痒くて痒くて」が夫のパッチテストの感想でした

全身型金属アレルギーはどの様に起こるの?

全身型金属アレルギーは食品中の微量金属が体内に吸収され、汗として皮膚表面に排泄され主として真皮内で炎症を起こしていると考えられます。
全身型金属アレルギーに多い発疹型は掌蹠(しょうせき)の汗疱状湿疹(亜急性・多型慢性痒疹)ですが、他に掌蹠膿疱症、扁平苔癬、貨幣状湿疹、自家感作性湿疹、汎発性湿疹、紅皮症があります。
アトピー性皮膚炎の中にも全身型金属アレルギーを合わせ持つ方もいるそうです。

夫は元々アトピー性皮膚炎でしたが、ある時から指先や爪の際、手掌に「痒み・湿疹・皮が剥ける」症状が強く出て悩んでいました。
パッチテストの検査結果はCo(コバルト)のアレルギー反応が一番強いと診断が出ました。

一般的に金属アレルギーの原因金属の多くはNi(ニッケル)、Cr(クロム)、Co(コバルト)です。

全身型金属アレルギーのある方は食物中の金属により増悪する可能性があります

微量金属は元々身体に必要な成分で金属アレルギーのない人では特に問題はありませんが、金属アレルギーのある方は、その金属が体内に閾値濃度以上に吸収されることにより発疹を起こします。

全身型金属アレルギーは生体内金属以外に下記のような食品により誘発されます。

金属を多く含む食品

Ni

ニッケル

Co

コバルト

Cr

クロム

Mn

マンガン

Zu

亜鉛

Cu

豆類 全て 全て 全て 全て 全て
ナッツ類 全て 全て 全て 全て 全て
穀類 玄米・胚芽・小麦胚芽・そば・オートミール 玄米・小麦 玄米・小麦・小麦胚芽
野菜・果物 ほうれん草・レタス・かぼちゃ・キャベツ キャベツ ジャガイモ・タマネギ・リンゴ ワラビ・パセリ・レンコン
キノコ マッシュルーム キクラゲ マッシュルーム シイタケ シイタケ シイタケ
肉類 肝臓 肝臓 肝臓・牛肉 肝臓
魚介類

海藻類

海藻全て・カキ・サケ・ニシン ハマグリ・アサリ・ホタテ・いりこ 青のり・昆布・ひじき 海苔 海苔・カキ・タコ・干したら カキ・シャコ
卵・乳製品 ※(牛乳・チーズ・卵) 卵黄
嗜好品等 全ての香辛料・チョコレート・紅茶・ココア・ワイン・タバコ・大黄・ステンレス缶詰食品 全ての香辛料・チョコレート・紅茶・ココア・ビール・コーヒー 全ての香辛料・チョコレート・紅茶・ココア・ステンレス缶詰食品 全ての香辛料・チョコレート・紅茶・日本茶 全ての香辛料・チョコレート・日本茶 全ての香辛料・チョコレート・紅茶・日本茶

※記載のある資料と無い資料が存在する為( 牛乳・チーズ・卵)とした

主人の食事内容を振り返ってみると…
豆類「納豆1パック・豆腐1/4丁・豆味噌の味噌汁を毎朝」食べていました。


チョコレートも食べていました。(時々)

ナッツ類はミックスナッツを片手に山盛り1杯分(毎日)


モヤシやキャベツなど食材に多用していました。

アルコールはビールを好んで飲んでいました。

「パッチテストで金属が陽性を示した場合、まずは金属接触を制限し、改善しない場合上記の表の金属を多く含む食品を制限すると軽快する」との事でした。
夫は時計も指輪等のアクセサリーを着けたがらない人(身に着ける事で違和感や不快感を元々感じていた)なので、金属を多く含むこれらの食品を制限(主人の場合はCoコバルト制限)する事を始めました。

金属アレルギー改善の為の「金属を多く含む食品制限食」と身体に合った漢方薬の服用を続けています。具体的なお話は次回ブログで書きます。

まとめ「全身型金属アレルギーの可能性がある場合には」

  1. 気になる人は病院でアレルギーテストを受ける
  2. 金属アレルギーの金属が判明したら原因食材を制限する
  3. 汗をかいたときはこまめにふき取り、接触部の細菌感染を防ぐ

を心がけましょう