胚移植の時に子宮内膜が薄く再生PRP療法を勧められたら

「子宮内膜再生PRP療法」は2019年3月より承認が下りた新しい治療法です。

PRP療法は、再生医療の一種で、ご自身の血液由来の多血小板血漿(たけっしょうばんけっしょう、Platelet-Rich Plasma)を用いた治療法でPRPは美容外科や歯科、関節の治療などに使用されています。

大リーグの大谷翔平選手が肘の腱の損傷に対する手術でこのPRP療法をされました。

子宮内膜再生PRP療法は子宮内膜の成長を促進させる治療法

PRPを子宮内膜が厚くなりにくい方の子宮に注入し、PRPに含まれる様々な成長因子により子宮内膜の成長を促進させる治療法です。

子宮内にPRPを注入する治療法はより高度な「第二種再生医療等(*1)」に該当します。
(*1再生医療等の安全性の確保に関する法律 第二条の6項)

子宮内膜再生PRP療法は移植した胚が着床しやすくなり妊娠しやすくなる

PRPの主成分は血小板です。血小板は、血液に含まれる成分で、ケガをしたときなどに出血を止める働きがあります。

また血小板は、血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、上皮細胞成長因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)など様々な細胞成長因子を含んでいます。

これらの成分が傷口で放出されると、傷口の細胞増殖が活発になり傷の治りが早まります。

PRPを子宮内に注入すると、これらの成長因子が子宮内で放出され、その結果、子宮内膜で細胞の成長が促進され、子宮内膜が厚くなることが期待できます。
子宮内膜が厚くなると移植した胚が着床しやすくなり妊娠が期待されます。

子宮内膜再生PRP療法は子宮内膜が7 mm以下の方が対象

PRP療法は子宮内膜が厚くなりにくい方が対象となります。

・凍結融解胚移植の周期にホルモンを補充しているにもかかわらず子宮内膜が6~7 mmに達しなかったため胚移植がキャンセルとなったことがある方。

・子宮内膜発育不全と診断された方。

ただし、血小板数が基準以下(150000/mm³未満)、抗凝固剤を投与中、肝機能障害などがある場合は治療を行えない場合があります。

子宮内膜再生PRP療法には自身の血液が必要

子宮内膜再生療法を行っている不妊治療の病院において前腕から静脈血を20 ml採取し、専用の機械(遠心分離機)で血漿部分を抽出します。

遠心分離機で血漿部分のみを抽出し調製したPRP(1 ml)を、子宮用チューブで子宮内に注入します。 採取したPRPが固まるなど、その性状が注入に不適切と判断された場合には投与を中止することがあります。また、採血が複数回になることがあります。

子宮内膜再生PRP療法のスケジュール

治療前 10日目 12日目 14日目 14~

17日頃

17~

19日頃

2週間後 3週間後 1年後
臨床検査
子宮内膜肥厚検査

(経膣エコー)

(〇) (〇) (〇) (〇)
多血小板血漿

(PRP注入)

(〇)
人工授精
胚移植
妊娠検査
着床検査
妊娠予後検査

子宮内膜再生PRP療法の費用は?治療前に問診や臨床検査、子宮内膜の厚さを経腟エコーで測定します
月経周期(月経が始まった日が1日目)の10日目、12日目に子宮内膜の厚さを経腟エコーで測定し子宮内にPRPを子宮内に注入します。(12日目の2回目は患者様の希望で省略することができます)
月経周期の14日目に子宮内膜の厚さを経腟エコーで測定します
月経周期の14日目から16日目頃に人工授精を行います
(人工授精をおこなった場合、胚移植は行いません)
月経周期の17日目から19日目頃に胚移植を行います
(胚移植をおこなった場合、人工授精は行いません)
人工授精もしくは胚移植の2週間後頃に妊娠検査(hcgテスト)を行います
妊娠した場合、人工授精もしくは胚移植3週間後頃に着床検査(超音波検査)を行います
着床した場合、人工授精もしくは胚移植1年後に出産の有無を調べます

子宮内膜再生PRP 療法の結果

有効性解析対象者は 36 名(平均年齢は 39.7 歳、子宮内膜厚は平均 5.86mm)であ
り、過去に平均 3.3 回の不妊治療を行っており、全例が子宮内膜の菲薄化のために胚
移植がキャンセルになった既往を持っていた。PRP 投与によって、14 日目の子宮内
膜は、主治医測定において平均 1.27mm 増加した。胚移植を実施できたのは 32 例、
うち着床が 5 例(15.6%)に認められた。PRP の子宮内腔投与による有害事象は認
められなかった。

子宮内膜再生PRP 療法の結果を下記サイトより引用↓

http://pdf.irpocket.com/C4571/GDpy/JcjL/SjWl.pdf

子宮内膜再生PRP 療法の金額は

この治療を受ける場合、保険適応外(自費治療)のため病院により価格は異なります。
参考までに、ある病院の場合ですとPRP注入(2回)で200,000円(税別)です。
PRP注入を1回にした場合は150,000円(税別)です。

子宮内膜再生PRP療法を検討前に自身の血液を増やしましょう

なぜ血液を増やすの?

子宮内膜は血液からできています。元々貧血の方や貧血気味の方は血液が足りておらず子宮内膜が厚くなりにくいです。

月経の経血量が少ない方、経血の色が「淡い赤色〜朱色」の方は血液が足りていません。経血の色は鮮やかな赤色がベストな状態です。鮮やかな赤色の経血になるように血液を増やしましょう。

子宮内膜を厚くする為に良質な血液を増やしましょう。もしPRP療法を行う場合においても血液を採取するので良質な血液が必要です。先づは血液を増やしましょう!

血液を増やすにはどうするの?

血液を増やす漢方のお話はこちら↓

血液を増やすサプリメントの話はこちら↓