前回は身体を温める漢方薬や生薬について書きました。
今回は食事や薬膳で身体を温めるアプローチ方法について書いていきます。
目次
冬の寒さに良い薬膳食材とその調理方法
冬の寒さにに良い薬膳食材
身体を温める(補陽) | 杜仲茶・シナモン・生姜・丁子・八角・クルミ・ニラ・唐辛子・鹿肉・羊肉・海老・ムール貝など |
気を補う(補気) | 蓮の実・山芋・栗・大豆・黒豆・もち米・鶏肉・牛肉など |
血を補う(補血) | クコの実・桑の実・青魚・牛肉・鶏肉・レバー・黒木耳・ひじき・ほうれん草・小松菜・牡蠣・ゴマ・松の実・アーモンド・など |
胃腸を整える(健脾) | 蓮の実・納豆・麹・甘酒・豆類・芋類・穀類など |
冬の寒さにに良い薬膳食材の調理法
鍋物・薬種・スープ・お粥・蒸し物・煮物・オーブン焼き・紅茶・シロップ煮がオススメです。
どれも温まる調理法ばかりですね。
✖ 冷たい食べ物や飲み物は身体を冷やすので、冷え性の方は冬場はもちろんのことオールシーズン控えましょう。
✖ 青汁は身体を冷やします。青々した葉野菜は夏の暑い時には熱さましになりますが、温めて飲んでも冷やす食材ですので冬場は控えましょう。
冬にオススメの薬膳メニュー
寒い冬には、寒さに効果的な「温め・巡らす」、「薬膳食材」と「調理法」の両方を組み合わせる事がポイントです。
プラスα紅茶
飲み物は「緑茶」ではなく身体を温める「紅茶」がオススメです。紅茶も緑茶も茶葉からできていますが、紅茶は茶葉を発酵させて作ります。
発酵させる事により茶葉の冷やす性質が、温める性質に変化します。
紅茶にさらに生姜やシナモンなどの薬膳食材を足すことで更に効果がアップします。生姜は生の生姜でも良いですが、漢方薬では乾姜を良く使用します。乾姜は生姜を蒸してから乾燥させた物ではが、自宅で作る時はスライスした生姜を乾燥(干して)するだけでも大丈夫です。
生姜+紅茶=温める+温めるで温める作用が2倍です
シナモン+紅茶=温める+温めるで温める作用が2倍です
生姜紅茶やシナモンティーは簡単に日常に取り入れ易いのではないでしょうか?
冬のホクホクおこわ
- 冬の薬膳食材(蓮の実・黒豆・クコの実)は下ごしらえとして予め茹でておきます。
- もち米は洗って水につけておく
- 下ごしらえの済んだ蓮の実・黒豆(栗・さつま芋の場合は下茹での必要無し)を炊飯器で炊く(又は蒸し器で蒸す)
- 炊き上がったら最後に刻んだクルミ(又は松の実)・軽く茹でたクコの実を混ぜて出来上がりです。
白・黄・黒・赤の彩りが綺麗な「冬のホクホクおこわ」になります。
「もち米」の変わりに「うるち米」、「栗」の変わりに「サツマイモ」、「黒豆」の変わりに「大豆」、「クルミ」の変わりに「松の実」に食材を変えて炊き込みご飯にしてもいいですね。
- もち米(胃腸を整える)
- 蓮の実(気を補う・胃腸を整える)
- 栗(気を補う)
- さつま芋(胃腸を整える)
- 黒豆(気を補う)
- クルミ(身体を温める)
- 松の実(血を補う)
- クコの実(血を補う)
各食材にはそれぞれ作用があります。
もち米・蓮の実・栗(又はさつま芋)・黒豆・クルミ(又は松の実)・クコの実の入った「おこわ」はを作ってみませんか?
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