漢方は花粉症に効果的!!

私たちにの体には本来、花粉など異物の侵入を防ぐ「免疫機能」が備わっています。

この免疫機能を高めてくれるのに役立つのが「漢方」です。

漢方には気血水という考え方があり

気の作用には下記のような5つの働きがあります。

  • 推動作用(推進する働き)
  • 温煦作用(温める働き)
  • 防御作用(体を防御する働き)
  • 固摂作用(外へ漏れ出るのを防ぐ働き)
  • 気化作用(物質を変化させる働き)

気の虚損、停滞、乱れなどは気の作用を障害し、体に悪影響を及ぼすと考えられています。

気には元気・宗気・営気・衛気の種類があります。

東洋医学では体の防御作用を衛気(えいき)と言います。衛気の衛は防御の意味で体表から体内に外邪が入ってくるのを防いでいます。また、皮膚や臓器の体温を維持したり(温煦作用)、汗などの分泌液が過剰に体外に漏れ出るのを防いでいます(固摂作用)。

防御作用

気にはからだの表面の皮膚や粘膜を保護し、健康に悪影響を及ぼす外部因子が体に侵入するのを防ぐ働きがあります。現代医学的にも体力が充実している時には、花粉・ウイルスや細菌類などに対する「抵抗力」も強い状態であると認識されていますが、東洋医学において、この抵抗力に相当するのが気の「防御作用」と呼ばれる機能です。

温煦作用

気には体を温める働きがあります。この様な働きを「温煦作用」と呼び、気の温煦作用には人体の体温を維持し、それによって内臓などの生理機能も維持されています。現代医学においても体温が低下すると基礎代謝や血液循環が低下することが知られていますが、東洋医学においても、人間の生理機能が正常で円滑に働く為には、気の作用によって体が適度に温められている事が必要です。

固摂作用

気には、ものが漏れたり落ちたりするのを防ぐ為に、引き締めたり支えたりする働きがあります。このような気の機能は「固摂作用」と呼ばれ、血液が脈管の外へ漏れ出るのを抑え、汗・尿・唾液・胃液・腸液などの過剰な分泌と排泄を抑えて体液の損失を防ぎ、腹腔内の内臓を一定の位置に固定して下垂を防いでいます。多汗、内臓下垂、脱肛などは固摂作用の失調が原因であると考えられています。

漢方薬で花粉症を予防しませんか?

花粉症予防の漢方薬

気の不足(気虚)を補う漢方薬として有名なのが「補中益気湯」です。その他に四君子湯、小建中湯、玉屏風散、黄耆建中湯などがあります。花粉症や感染症の症状が出てくる前に、気の防御作用を強化し花粉・ウイルスや細菌類などに対する抵抗力を強くする事も漢方薬で可能です。

アレルギー体質改善の漢方薬

現代のアレルギー体質に似たものに解毒証体質があります。花粉・ウイルスや細菌類などに対して反応しやすく、慢性的なアレルギー症状を起こしやすい体質です。このような体質の方には荊芥連翹湯や柴胡清肝湯などの漢方薬で改善が可能です。

花粉症の症状が出てきたら

漢方にはアレルギーという概念がありません。くしゃみは「気」が逆流する、鼻水や鼻づまりは「水」が体内に貯留し停滞すると考えます。さらにその他の症状に応じて処方を選びます。

「小青竜湯」だけがアレルギー性鼻炎の漢方薬ではありません。

   体質に合わせてを選ぶ必要があります。


水っぽい鼻水・くしゃみ|小青竜湯

鎮咳去痰、抗アレルギー、利尿作用を有する生薬と、それらの働きを助け調子を整え機能を高める生薬が配合された処方です。循環障害による水分排泄障害やアレルギー体質が基本的にはあるものの、水溶性鼻汁や痰、くしゃみを伴う呼吸器疾患やアレルギー性疾患に用いられます。麻黄が主薬であるので、痩せて顔色が悪く胃腸の弱い人には適さない。 くしゃみ、せき、鼻づまり、のどの痛み、水っぽい鼻水、痰、胃内停水(胃の中に水がポチャポチャがある感じ)


鼻づまり・口が乾く|辛夷清肺湯

体力中程度以上、鼻づまり、鼻水、慢性の鼻炎、蓄膿症


くしゃみ・サラサラの鼻水・冷えが強い|麻黄附子細辛湯

鼻炎などのアレルギー症状、頭痛、悪寒、全身の倦怠感、風邪によるせきや痰、手足の強い冷え


鼻水・痰の多い咳|苓甘姜味辛夏仁湯

胃腸が弱く、貧血、冷え症で喘鳴を伴う痰の多いせき


鼻水が多い・体がむくむ|越婢加朮湯

比較的体力があり、むくみ、尿量減少、分泌物が多い


鼻水・頭痛・肩こり|葛根湯

比較的体力があり、鼻炎などのアレルギー症状、自然な発汗がない、風邪による頭痛、悪寒、発熱、肩こり


鼻づまり・寒気や肩こり|葛根湯加川芎辛夷

比較的体力があり、鼻づまり、慢性の鼻炎、蓄膿症

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