梅雨が空けると夏バテの季節がやってきますね。アイリス漢方薬店のある名古屋も暑さが厳しく、昨年は40℃を超えた日もありました。
気温や湿度が高くなると身体のだるさ等、不調が起こりやすくなってきます。
それに加えて冷たい飲食物をたくさん摂ると胃腸の調子を崩し食欲不振などを起こす原因になります。
夏バテ防止と夏バテ解消に良い漢方薬は?
疲れ・だるさに|補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
こんな方にオススメ
- 手や足が重だるい
- 食べ物の味がしない、食欲が無い
- すぐに疲れる。寝汗が多い
疲れやすくて、手足がだるく、食欲のない方。食べないと身体がもたないが、もうひとつ食欲が出ない。疲れやすく、手足がだるいなどの症状に良い。
黄耆、人参、白朮、甘草、大棗、生姜、柴胡、升麻、陳皮、当帰の生薬から作られています。
食欲不振に|香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)
こんな方にオススメ
- 食欲不振が強い
- 胸がつかえる
- 胃がポチャポチャ音がする(胃内振水音)
- 気分が沈みがち
少し食べただけでも、すぐにお腹が一杯になり、胃がもたれ、嘔吐や蹴りをする方。
六君子湯ベースで胃腸虚弱タイプ、お腹がポチャポチャし胃のもたれ、食欲不振、嘔吐や下痢など消化器症状に良い。腸内にガスがたまり憂鬱感などの症状に良い。
人参、白朮、茯苓、半夏、陳皮、香附子、大棗、生姜、甘草、縮砂、藿香の生薬から作られています。
発汗による体力消耗・息切れに|生脈散(しょうみゃくさん)
こんな方にオススメ
- 発汗により体力が消耗している
- 息切れ、動悸
- 夏の疲れ、だるさ
虚弱タイプ、肉体疲労時の滋養強壮に。
暑い環境下での発汗過多、激しい嘔吐や下痢、脱水、機能低下に伴う息切れ、動悸、多汗、口渇などの症状に良い。人参、麦門冬、五味子の生薬から作られています。人参は気力を麦門冬は身体を潤し、五味子は収斂作用により汗を止める働きがあり体外に水分が流出し過ぎないように働きます。
のどの渇き・軽度の熱中症に|竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)
こんな方にオススメ
- 顔が赤く、微熱、熱感がある
- 喉が渇いて、冷たい物を好んで飲む
- 夏場、尿の色が濃い
口渇や軽い熱中症の症状に良い。身体に溜まった余分な熱を冷まし、体液を増やし身体を潤します。竹葉、石膏、半夏、麦門冬、人参、粳米、甘草の生薬から作られています。
暑さによる疲れに|清暑益気湯(せいしょえっきとう)
こんな方にオススメ
- 発汗による口渇や熱感
- 暑さによる食欲不振・下痢
- 夏やせ、全身倦怠
夏バテ、夏の体力作りに良い。人参、黄耆、白朮、甘草、陳皮、麦門冬、当帰、五味子、黄柏の生薬から作られています。
夏バテ予防に食べると良い薬膳食材は?
身体の熱を冷ます食材
ゴーヤ・明日葉・緑豆・もやし・ナス・緑茶などちょっと苦味やエグ味のある野菜が良いです。
身体の熱を冷まし身体を潤す食材
スイカ・トマト・きゅうり・レンコン・くわい・ヘチマ・湯葉・豆腐・緑豆・豚肉・小麦・白木耳・百合根・パイナップル・水分豊富な果物・水分豊富な野菜・葛粉など水分が多い物やしっとりした物、トロトロした物が良いです。
身体の熱を冷まし水分調整する食材
大麦・はと麦・そば・セロリ・ゴーヤ・冬瓜・きゅうり・アスパラガス・大根・ヘチマ・豆腐・湯葉・緑豆・小豆・もやし・紫蘇・ミント・あさり・しじみ・はまぐり・はも・鯉・白身魚・鴨肉・昆布・ワカメ・海苔・もずく・ひじきなどが良いです。
身体を元気にする食材
茸類(しいたけ・えのき・舞茸・しめじ等)・甘酒・豆類・穀類などが良いです。漢方薬の竹葉石膏湯に含まれる粳米は白いお米の事です。お米などの穀類は身体を元気にする薬膳食材です。
オススメの調理法は?
暑さが厳しい時はさらっとした調理法がオススメです。野菜や果物のジュース・サラダ・和え物・蒸し物・煮物・漬物・お茶漬け・お粥・素麺・そば・スープが良いです。○
※冷やし過ぎには注意!冷たい物を食べ過ぎると消化器系に負担がかかります。×
※揚げ物や焼き物、香辛料の効いた調理法は身体の水分を消耗し熱を身体に溜め込みます。×