⑧子宮頚部腺癌治療後副作用2-1期編~放射線療法後の腸閉塞と尿管閉塞~

尿管ステントの交換で1泊2日の入院予定が、まさか54日間の入院と手術に

子宮頚ガンの術後に放射線化学療法を追加で行ってから約4か月(前回の腸閉塞から約2ヶ月)後、経尿道的尿管ステント留置の交換の為に1泊2日で入院しました。
尿管ステントは3ヶ月毎に交換が必要(詰まってしまう為)で、予定していた通りの入院でした。
しかし、腸閉塞の症状がひどく「入院中の食事を無しにして欲しい」と看護師に伝えた所から腸閉塞の治療をする事になりました。

入院1日目(尿管ステントの交換)

初日は予定していた尿管ステントの交換のため泌尿器科の病棟に入院し、ステント交換と腸閉塞の検査の為、腹部CTを行いました。
やはり前回入院した時より腸閉塞が悪化していてこのまま続けて入院治療をする事になりました。

実は、前回の腸閉塞の入退院後1ヶ月経たない頃から既に腹痛が起こっており、自主的に食事をかなり減らし調整をしていました。
普通に炊いたご飯でもお腹に詰まって5時間経過しても残っているので、オジヤや雑炊にして食べたり、バナナもそのまま食べるとお腹に詰まるので、ミキサーでバナナジュースにして食べていました。
前回の腸閉塞は絶食1週間の後、回復食を食べるだけの治療だったので、食事を調整すれば何とかなるだろうと思い自家製の流動食で頑張っていましたが全くダメでした。

CT検査報告書①
CT検査報告書②

入院2日目(泌尿器科から消化器内科の病棟へ移動)

今どれくらいの量が食べられるかを調べる為に食事の負荷テストをしました。
「刻み食・流動食」でも詰まってどんどん腸がパンパンになってしまう為、胃管を入れる事になりました。
胃管は鼻から胃まで管を入れ、胃に溜まった物を外へ排出します。
この間絶食で、水分は少量のみ可能。
胃管を入れましたが腸閉塞の状態は改善されず2日で胃管を抜きました。

胃管と右尿管ステント留置

 

入院4日目~(手術の日まで長い入院生活が決定)

通常の点滴では栄養やエネルギー、水分が多く補給できないので、中心静脈栄養(PICC)をする事になりました。
中心静脈栄養(PICC)は粘度の高いものや高栄養のものを長期間輸液したい時に使用するそうで、肘の静脈(二の腕の内側の静脈)から挿入したカテーテルの先端を中心静脈(上大静脈・心臓から出る太いな静脈)に留置します。
CT造影室で15分もかからずに挿入が完了しました。

腸閉塞が前回退院後早々に起こっている事から小腸の閉塞部と尿管の閉塞部の外科的治療をする事になりました。
しかし腸の手術の消化器外科、尿管の手術の泌尿器科、子宮頚ガンの手術をした産婦人科の各先生が揃い手術ができる日程が40日後しか空いておらずその日まで入院し待つことになりました。

全く飲食しないと胃腸の機能が低下してしまう事と、少量の排便は有るので、ごく少量の流動食を無理せず自身が食べられる量だけ食べる事になりました。
今現在食べる量の限界(朝食:お味噌の汁のみ1杯、昼食:カップのヨーグルト1つ、夕食:ゼリー1つ)をなんとか食べていました。
あと食前の漢方薬(大建中湯)と食後の薬(エブランチル:排尿を助ける薬)を少量の水で飲んでいました。
水分も1日に500mlも飲むとお腹がパンパンに張って苦しいので最低限にしていました。

通常の点滴だと血管外に漏れて痛みや腫れに(抗がん剤の時や前回の入院中に)悩んでいましたが、中心静脈栄養(PICC)は皮下に漏れる事が無いので快適でした。
一日に2,000キロカロリーを中心静脈栄養(PICC)による輸液で補うと体重が500g/週で増え減った体重がどんどん増えて嬉しい悲鳴でした。
でもこのペースで体重が増え続けると手術を受ける40日後にはあっさり3㎏近く体重が増えるので、消化器内科の先生にお願いして輸液のエネルギー量を1400キロカロリーに減らしていただきました。
これでやっと体重が増減しなくなりました。(私の基礎代謝の低さを思い知らされました)

中心静脈カテーテル(PICC)の部位

入院37日目(腸の造影検査とイレウス管挿入)

手術予定の1週間前に腸の造影を行いイレウス管を入れました。
やはり腸は詰まっていて造影剤が閉塞部分から先へは直ぐに流れない状態でした。
イレウス管は鼻から小腸の閉塞部分まで管を通し小腸に詰まった飲食物を外へ排出します。
イレウス管は手術まで挿入し、その間は絶食、水分は少量のみ可能、飲み薬も中止。
1ヶ月以上お世話になった消化器内科から産婦人科の病棟へ移動。
産婦人科の病棟は4回目(癌手術・抗癌剤・前回の腸閉塞・今回)の入院で顔見知りの看護師さん達は、違う科(病棟)に長期入院しているとは知らずビックリしていました。
他の病棟のカルテを見る権限が無いらしく、産婦人科に移動が決まり名前やカルテを見て初めて知るそうです。

イレウス管と右尿管ステント留置

入院38日目(尿管鏡で尿管の精密な検査)

手術予定の6日前に尿管の検査(尿管鏡)を行いました。
CT室での検査と思いこんでいたのですが、まさかの手術室で、下半身麻痺で行いました。
腰から下の麻酔(腰椎麻酔)なので意識はもちろん有り、手術室内の先生方の声や機械や機器の音が全て聞こえました。
尿管の状態の悪さも先生方の会話でわかりました。
下半身麻痺なので麻酔の注射時は注射の傷みは有りましたが、検査は麻酔が効き全く痛くありませんでした。
麻酔が完全に取れる翌朝までベッド上安静と膀胱留置カテーテル。

入院39日目(腸閉塞に対する術式の説明)

朝までベッド上安静と膀胱留置カテーテルでしたが、午前中に安静の解除と膀胱留置カテーテルを抜きました。
手術予定の5日前に消化器外科の先生から手術の説明がありました。
小腸の閉塞部分の剥離手術を行うつもりだったが、放射線治療により組織が脆く剥離手術を行う事はリスクが大きくできないとの事で、閉塞部分は触らずに小腸横行結腸バイパス手術を行う事になりました。

放射線性腸炎による小腸の癒着
小腸横行結腸バイパス術の説明

入院41日目(尿管の閉塞部分に対する説明)

手術の2日前に泌尿器科の先生から手術の説明がありました。
尿管の手術をするつもりだったが、小腸の閉塞部分の剝離手術が行われず、尿管は小腸の後ろにあるため、尿管を手術できないとの事でした。
また尿管の閉塞部分が2カ所有り尿管の閉塞部分を切除し繋いでてしまうと長さが足りない事や、術式を色々と考えたが、今まで通りに尿管ステントを3ヶ月毎に交換した方が生活しやすいとの結論でした。

尿管閉塞部位の説明

検討していた術式の説明①
検討していた術式の説明②

次へつづく

と言う事で飲食物の経口摂取を最優先に「腹腔鏡下小腸横行結腸バイパス手術」を受けます。
内容量が多くなってしまったので、小腸横行結腸バイパス手術とその術後の経過は別のブログ(子宮頚部腺癌治療後副作用2-2期編)で書きます。

癌治療の副作用・後遺症で辛い思いをするとは思わなかった

まさか、こんなに癌治療の副作用・後遺症で辛い思いをするとは考えていませんでした。
仕事や日常生活も手術以前と同じには出来ず、最初の手術から約一年後でも仕事の完全復帰はできていません。
もっと早く癌を見つけてもらえれば結果は違っていたと思ってしまいます。
健診や検診が100%の病気を見つけられるものではありません。
しかし、このブログを見た方は、健診や検診で簡単に見つけられる病気もあるので、定期的に健診(健康診断)やガン検診を受け病気の「早期発見早期治療」をしていただければと思います。

子宮頚部腺癌治療後副作用1期編はこちら↓

通院していてもガンが見つからず治療が遅れた話↓

子宮頸がん検診で発見できないガンもある↓