漢方薬の風邪薬といえば、葛根湯!

葛根湯

風邪薬のCMも増え始めましたね。
漢方薬にも風邪薬があり、まず浮かぶのは「葛根湯」という方も多いのではないでしょうか。
実は風邪を引いたらどのタイミングでも葛根湯を飲んでも良い、というわけではありません。

葛根湯は風邪の引き始めに

葛根湯は、のどの痛み、鼻水・鼻づまり、寒気がしてもうすぐ熱が上がってきそうだな・・なんていう風邪の引き始め(初期症状)の時にお勧めです。
ポイントは「熱が出る前」に服用すること。
熱が出た後の風邪症状は、体の熱を取る(冷ます)別の漢方薬を服用した方が良いのです。

葛根湯

葛根湯は体を温める作用がある

葛根湯には7つの生薬が配合されています。

①生姜(しょうきょう) ショウガの根茎 発汗・健胃作用があり、身体を温め新陳代謝を高める
②甘草(かんぞう) カンゾウの根を地下茎 鎮痛・解毒作用があり、漢方処方の多くの薬に配合されている
③麻黄(まおう) マオウの地上茎 咳を鎮めて痰を切り、発汗・解毒作用がある
④葛根(かっこん) クズの根 筋肉の緊張を緩め、発汗・解毒作用がある
⑤大棗(たいそう) ナツメの果実 身体を温めて緊張を緩和させ、強壮・利用作用がある
⑥桂皮(けいひ) シナニッケイの樹皮 発汗・解熱・鎮痛作用、健胃・整腸作用がある
⑦芍薬(しゃくやく) シャクヤクの根 筋肉の緊張を緩め、血管の働きを順調にする

この7つの生薬が相乗効果を伴って体を温め、適度な発汗を促し(発散)、筋肉の緊張を緩めて炎症を取っていきます
葛根湯は風邪の引き始めに感じる冷えや寒気には打ってつけです。

筋肉のこわばりを取るため、肩こりや頭痛にも使える

肩こりや頭痛のお悩みにも、葛根湯が効果を表すことがあります。
筋肉の緊張を緩める作用と温める作用があるため、風邪症状はなく血行不良などで身体が冷えている場合の肩こりや頭痛にも、葛根湯が合うのです。

肩こり

医療機関へ行かなくても買えるけれど、注意が必要

ドラッグストアやスーパーでも取り扱いがある葛根湯ですが、自己判断だけで服用を決めるのはやめましょう。
風邪の引き始めだと自分では思っていても実はそうではなかったという可能性もありますし、体質が合わない場合もあります
また他のお薬を飲んでいる場合も、成分が重複し過剰摂取となる恐れがあるため、服用にはじゅうぶん気を付ける必要があります。

多数の薬を服用

簡単にできる風邪の予防法は「マスク、うがい、手洗い」

風邪の感染経路は飛沫(ひまつ)感染です。
せきやくしゃみ、話しているときに目に見えない水滴(飛沫)が口から飛び出しており、その中に含まれるウイルスや菌を他の人が吸い込むことで感染します。
ですのでまず、①マスクをする ②うがい・手洗いをする を、徹底すると良いです!
外出する際にはマスクをして飛沫感染を防ぎ、外出から戻ったらうがい・手洗いで病原体を洗い流しましょう。

手洗い・うがい